Zcashの特徴
Zcashはビットコインのようにブロックチェーン技術を応用した仮想通貨のひとつで、P2P方式でコインを受け渡しすることができます。Zcashは2016年10月に公開された新しい仮想通貨ですが、日本国内の取引所(コインチェック)でも購入することが可能です。コインの総発行枚数(2,100万ZEC)と採掘量の半減期(約4年)についてはビットコインと全く同じですが、平均ブロック生成時間が2.5分に短縮されていてブロック生成時に生成されるコインの枚数がビットコインの1/4である点で異なります。公開前の採掘(プレマイン)は行われずコインの全量がマイニングによって生成されますが、初期の段階においては発行量の10%が出資者に対する報酬(ファウンダー報酬)として支払われることで開発費に充てられる予定です。ちなみにZcashの先頭のZは利用されている暗号化技術である「ゼロ知識証明」に由来し、他の仮想通貨にも同じ技術が導入されるケースがあります。
Zcashに採用されている「ゼロ知識証明」とは利用者のプライバシーを保護する目的で開発された暗号化技術で、匿名性重視型の仮想通貨であるという特徴を持ちます。一般的にブロックチェーン技術はマイニングに参加する第3者が取引の正当性や不正防止のための検証作業を行う必要があるので、ブロックに含まれる送金取引の情報が公開される必要があります。このためビットコインや他の多くの仮想通貨の場合は各コインアドレス内の残高や送金取引の記録が他人に見られてしまいます。モネロやダッシュなどの匿名性重視型の仮想通貨の場合は送金元・送金先アドレスのみが追跡することができない仕組みになっていて、コインが移動している情報は公開されています。これに対してZcashはアドレスのみならずコインが移動していることも隠されているので完全に匿名取引が可能です。ゼロ知識証明を活用することで送信元・送信先アドレスとコインの移動が隠されているものの、マイニング作業を行う第3者は取引(命題)が正しいかどうかを検証することができる仕組みになっています。